こんにちは!ついに今年もあと少し、女児です。
今回は前回予告していた通りに私的に今年良かった百合漫画10選を紹介します。
年末年始の暇つぶしにでもご利用いただければ幸いです。
2019年はどんな年だった?
本題に入る前に2019年というのが百合漫画界隈的にはどういう年だったのかを振り返ってみましょう。
- 爆発的百合漫画
毎年言ってますが百合漫画多すぎ!!!!!!!
もはやメジャージャンルとなってしまった百合界隈。女児は完全に置いてけぼりにされつつあります。今回の10選でも読んでない作品を除外しているのでちゃんと網羅していなくて申し訳ない……という感じです。
- 爆発的百合アンソロ
最近ずっと言ってますが百合アンソロ多すぎ!!!!!!!!
百合姫の数々のアンソロをはじめとしてKADOKAWAの「エクレア」や「White lilies in Love」、双葉社の「シロップ」と2018年から依然として百合アンソロジーの供給が爆発的に増えています。
初心者の方からするとどれから読めばいいの……となりかねないのでこの辺の違いなどを解説した記事もいつか書きたいです。いつかね。個人的には「シロップ」「エクレア」辺りを買っておけば間違いないかな、と。
2019年私的百合漫画10選
早速本題へ。今回は「2019年に1巻目が発売された百合漫画」を対象としています。
女児の体力的に色々と書き切るのがつらいのでストーリーの説明は割愛させていただきます。
さよならローズガーデン
時代の荊が苛むとしても、わたしはあなたを――。
1900年イギリス。
愛が、家族が、社会が荊だった頃。
憧れの作家に師事するため渡英した九條華子。
拠り所のない彼女をメイドに雇った
貴族令嬢アリス・ダグラスにはある思惑があった。
「私を殺して」
アリスの切なる願い、華子はその真意を探るが――。
既刊2巻、新刊の3巻も2月に発売されます。毒田ペパ子先生の贈るイギリスが舞台の異国間百合。絵柄と舞台が相まってかなりオシャレな雰囲気を纏っていますが設定上ホモフォビア的な描写があるので苦手な方は注意。
主人公である華子の強さが際立ちますね。舞台設定の作りこみや背景の描き込みが凄いのでどっぷりと世界観に浸れるところが素敵です。英国かぶれなあなたにお勧め。
今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい
「突然ですが、高校生の娘ができました」
28歳OLと17歳女子高生の同居生活は前途多難!?
WEBで人気を集めた表題作
「今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい」シリーズのほか、
『北陸とらいあんぐる 』 の原点となった作品 「かがやきまっし」などを収録した、
ファン待望の百合作品集!
今回紹介する10選の中では唯一の短編集。「北陸とらいあんぐる」のちさこ先生がツイッターで発表した表題作のほか何編かの社会人百合が収録されています。
表題作のほのぼのとした可愛さとは裏腹に「おとなになればわかる」「ヴァージン・ロード」等の暗めの話も収録されており、ちさこ先生の表現の幅広さがわかります。
カジュアルで読みやすいかつ様々な話が楽しめるので百合初心者なあなたにもお勧め。
神絵師JKとOL腐女子
以前の記事にて紹介したので色々と割愛。今年出た百合漫画の中では最もギャグがキレッキレだったといっても過言ではない作品。 こちらもこれから百合を読んでみようという方にお勧め。
きみが死ぬまで恋をしたい
生きたいも、好きも、全部君が教えてくれた 身寄りのない子供を戦争用の兵器として育てる学校に通う少女たち。人を殺すための授業、誰が死んでも悲しむことさえままならない日常。自分の境遇を受け入れられずにいる14才のシーナはある夜、血まみれの小さな女の子・ミミと出会った――平穏を願う怖がりなシーナと笑顔で戦争に向かう不死のミミ。死と隣り合う世界で2人の少女が見つけた、あどけない願いの物語。
ここから3作品は百合姫で連載されている作品を紹介。
既刊2巻、あおのなち先生の贈るディストピア百合。
百合姫で予告の絵を見た時から「これはやってくれたな」と思ったくらいにまず雰囲気が素晴らしい。常に死が近い世界という暗さが最高ですね。絵柄もすごく安定していてハイレベルな百合作品です。
この作品に関しては多くを語るより読んでもらった方がいいと思うのでゆりひめ@ピクシブの方で1~3話まで無料で公開されているので是非読んでみてください。
ディストピアや薄暗い世界観が好みの方にお勧め。
海猫荘days
こちらも以前の記事にて紹介しましたので割愛。最近では阿島ちゃんも大人しくなってきたので可愛いもんです(まあ新しくヤバい女が登場してきましたが……)。
コダマナオコ先生のファンにはもちろんの事、こちらもかなり幅広い方にお勧めできる百合漫画です。
きたない君がいちばんかわいい
こちらも以前の記事で紹介しましたので割愛。2019年末の魔物枠です。とにかくアブノーマルな性癖をついてきます。刺さる人にはとにかく刺さる作品なので是非。かわいらしい絵柄とのギャップも素晴らしいですよね。
ちょっと休憩-他にもあるよ!今年アツかった百合漫画
ふぅ。ここまで6作品ほど紹介しましたがちょっと休憩。今回は「2019年に1巻目が発売された百合漫画」 に絞ってご紹介していましたが該当しない漫画の中で今年アツかった漫画をピックアップ。
昨今の百合ブームの火付け役、「やがて君になる」が11月に発売の8巻で遂に完結。
いやーーーここまで長かったというかなんというか……。こちらに関してはもちろん個別の記事を用意する予定ですので乞うご期待。
仲谷鳰先生の新作にもぜひ期待したいですよね。そしてやが君に続く大ヒット百合作品はこれから出てくるのか否か……。
私の百合はお仕事です!
ブルーメ選挙も終わり、キャストの姉妹(シュヴェスター)も固まったことで、各キャストの誕生日イベントに向けて準備を進めるリーベ女学園。生徒オススメティーの復活など営業は順風満帆に見えたが、キッチンの寧々が体調を崩し、舞(まい)と純加(すみか)がヘルプでキッチンに入ることになってしまう。ギリギリの人数で回していたフロアは混乱し、その余波は美月と陽芽の姉妹の関係にも影響を……
これはもう個人的な好みでのピックアップです。既刊5巻、新刊の6巻は1月に発売されます。
1巻が発売されたのはもう2年半ほど前になりますが未だにアツい作品。連載で読んでいて毎回衝撃を与えてくれる素晴らしい作品です。1巻の時点でも十分面白いですが感を追うごとにどんどんアツくなっていく今まさに目が離せない作品です。
こちらに関してもいつか個別の記事は書く予定です(完結するまでには書きたい……すぐには完結しないと思いますが)。
柔肌
代表作「ベルベット・キス」のハルミチヒロが「楽園」で発表した恋愛読み切りの第3作品集。仮初めの男女関係やガールズラブまで著者特有の美しい描線と繊細な描写が光る5作品+ショート3本収録。
2019年7月刊
百合以外の作品が収録されていたためやむなく除外(でも紹介はする)。楽園コミックスよりハルミチヒロ先生の贈る短編集です。百合作品としては表題作の「柔肌」と「蓮の花」が掲載されています。
とにかく本作、というかハルミチヒロ先生の特徴としては面倒くさい女を描くのがとにかくうまい。リアルでは付き合いたくないような色々と拗らせている女性が本作のメインといっても過言ではないですね。
又女性の表情もむき出しになった、抑えられない感情をうまく表していてハルミチヒロ先生の表現力の高さが伺えます。
お話としては基本シリアスですが着地点としては平和な作品が多いです。ヘテロ作品も入ってますが興味ある方は是非。
さてそろそろ本題に戻りまして10選の方は残り4作品です。
メジロバナの咲く
海外の女学園とその寄宿舎を舞台に展開する、著者初の本格的長編ガールズラブ待望の第1巻。繊細な描線で紡がれる耽美の極にありながらも風通しの良い物語です。
既刊1巻、楽園コミックスより中村明日美子先生の贈る時代を感じる女学院百合。
本当に最近では見なくなった貴重な女学院モノです。言葉の言い回しといい耽美な小説を読んでいるかのような雰囲気に浸れること間違いなし。
これもとにかく読んでもらった方が雰囲気をつかみやすいと思うので楽園買って下さい。以上です。女学院好きな人にはもちろんおススメ。
おとなになっても
こちらも以前の記事にて紹介したので割愛。2巻が待たれる……。 百合漫画にしては珍しく女性向けの雑誌に連載されている作品なので毛色は他とは違いますがクオリティは保証します。少女漫画を読んで育ってきた人には特におススメかも。
社畜さんと家出少女
社畜のナルさんと、家出少女のユキちゃん。
現代社会の片隅で、肩を寄せ合って暮らす二人の女性の物語。
「とかく人の世は住みにくい――」
でも、今この場所だけは、安心できる。
そして今年ものすごい衝撃を持っていった作品といえばやはりこれ。漫画タイムきららからの刺客。
既刊1巻、ゆゆ式の生えた同人誌を描いている2次創作界隈で有名なタツノコッソ先生による年の差同棲百合漫画。ニコニコ静画の方でなんと9話まで無料で読めるので是非読んでみてください。
1話を読んでいただければわかる通りギャグが基本なのですが合間合間にシリアスな空気が流れてきます。1話ラストのシーンは何とも言えない生きづらさを感じていることにかなり共感しましたし切ない気持ちになりましたね。
今回この漫画の感想を描くにあたって友人のW氏に相談したところ感想文を送ってくれたので感謝の意を込めて掲載しておきます。ご購入の際の参考となれば幸いです。
↓以下女児の友人W氏の感想。
ぐーたらな社畜のナルさんと家出少女のユキちゃんの2人の日常を描く作品。最初にこの作品を見た時、ゆ◯式じゃん!と思ったほど絵の感じはまさにきらら作品といった感じですが、そのストーリーは全く違うと言っていいでしょう。
最初の方はナルさんとユキちゃんの思わずふふっと笑ってしまう日常風景が描かれておりニヨニヨしながら読み進め、ほーんなるほどよくある日常系の作品ね、と油断していた所に最後のページで突然訪れるシリアスモード。これでこの作品大好きになりました。
さらにこの作品を魅力的にしてくれるのが5話で登場するユキちゃんのクラスメイトのミユちゃんです。この子は端的に言うとめんどくさいレズです。ただでさえナルさんとユキちゃんの関係も元から複雑なものなのに、クレイジーサイコレズミユちゃんが加わることでさらにこじれる人間関係。最高です。
私の拙い言葉ではこの作品の魅力が伝わってこないと思うので、ニコニコ静画でなんと9話まで読むことができますからとりあえず全人類読んでください。お願いします。
現世に生きづらさを感じてる人にはいろいろと共感できるところがあるのではないのでしょうか。疲れたあなたにお勧め。
春とみどり
好きだった親友の娘を引きとりました――。人づきあいが苦手で、どこにいても居場所がないと感じているみどり(31)は、中学時代好きだった親友・つぐみの葬儀で、つぐみと瓜二つな彼女の娘・春子(14)と出会う。……居場所がないみどりと居場所をなくした春子、そんなふたりが織り成すセンシティブ同居譚。
さて、2019年の私的百合漫画10選、最後に紹介させていただくのはやはりこれしかないでしょう。桜咲く季節に颯爽として百合界に現れたこの作品です。
既刊2巻、深海紺先生の贈るセンシティブ年の差同居百合です。
高い表現力で描かれる2人の心の機微が見ていて切ないというかしんみりさせられるというか……。みどりさん、31になってもなお中学の頃同級生だったつぐみちゃんに未練タラタラのことを未だに強く想っていて、それでも彼女は今いないのかと思うと胸にくるものがありますね……。
みどりさんの人付き合いが苦手というキャラクターには本当に共感しますし、読んでいるとかなりみどりさんに感情移入してしまいますね。
2人の心の距離は遠いですが少しずつ、少しずつその距離が縮められていく過程が見ていてすごく尊い……。
最新話近くでは春子ちゃんの方がみどりさんの態度にモヤモヤを感じているようで……?非常に続きが気になります。気になりますよね?今なら2巻まで買えばこちらのサイトで2巻からの続きが読めてしまうのです!!!!!!全人類におススメです!!!!!!!!!!!読め!!!!!!!!!!!!!!
以上で10選の紹介は終わりです。半分くらい既に紹介していた作品があったもののやはりこの量を書き切るのはかなり大変でしたが楽しんでいただけたなら幸いです。
海猫荘days、今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい、社畜さんと家出少女、春とみどりがそうですが同居系(特に年の差)がかなりの比率を占めましたね。最近増えてきているといっていいでしょう。
特に亡くなった人とのつながりで同居している作品だと今回挙げた春とみどり以外には「異国日記」や「兄の嫁と暮らしています」などがありますよね。ま、その話もまた追々。
そんなわけで女児がお送りしました私的百合漫画10選、いかがでしたでしょうか?
かなり長い記事になりましたがここまで読んで戴きありがとうございます。ここまで飛ばした人、「春とみどり」はマジで名作なので買った方がいいぞ。
それではまた来年お会いしましょう、良い百合ライフを!そして良いお年を!
今回紹介した作品リスト
- さよならローズガーデン
- 今どきの女子高生が何を考えてるかわからなくてつらい
- 神絵師JKとOL腐女子
- 君が死ぬまで恋をしたい
- 海猫荘days
- きたない君がいちばんかわいい
- メジロバナの咲く
- おとなになっても
- 社畜さんと家出少女
- 春とみどり
- やがて君になる
- 私の百合はお仕事です!
- 柔肌