じょじのにっき

女児のブログです。百合の話がメインです。Vtuberになりました。

近代百合アンソロジーの選び方

皆さんこんにちは、女児です。

最近ずっと言ってきましたが3月下旬に百合姫から「双子百合えっちアンソロジー」が発売されることとなりました。

双子百合えっちアンソロジー (百合姫コミックス)

双子百合えっちアンソロジー (百合姫コミックス)

 

 ここ2,3年の百合ブームの中姉妹百合をメインとしたアンソロジーコミックスの発売は(多分)初めてで、ここから盛り上がって欲しいですね。ていうか普通の姉妹百合アンソロも出して下さい(懇願)。

 

さて、近年の「やがて君になる」や「citrus」を皮切りに始まった百合ブームですが2016年の「エクレア」をはじめとして2018年の下半期からは百合アンソロブームが始まったと言っても差し支えの無いほど沢山の百合アンソロが発売されていきます。

 

後述しますが2019年に百合姫コミックスより発売された百合アンソロの数は10冊以上。最近百合界隈に入ってきた人はどれを買えばいいのか悩むはず……。

ということで今回は様々な百合アンソロの出版社やレーベルごとの特色を踏まえてどのように選べばよいかを(個人的な好みを多分に含みつつ)解説していきます。

 

 

今回の記事では2017年以降に出版された百合アンソロをなるべく全部出版社ごとに紹介していきます。

女児も全部読んでいるわけではないのでその辺の知見の浅さはご了承ください。

 

百合姫コミックス(一迅社)

まずは2019年大量の百合アンソロを出版した犯人百合姫コミックスからご紹介。滅茶苦茶多いですね、特定のジャンルに一点特化しているアンソロが多いので選びやすいのがいいところ。

 

 

 

 2017年に発売されたアンソロジー、この時はまだ「エクレア blanche」が発売されたあたりだったので百合ブームが始まってから特定のジャンルオンリーのアンソロが出たのはこれが初めてでした。

タイトルの「パルフェ」は「エクレア」に倣ったのかオシャレな甘味系、以降出版社を超えて百合アンソロジーにはオシャレ甘味系の名前を付けるという暗黙の了解ができました。

当時おねロリは期待されつつも供給が少ないジャンルというイメージがあったのでパルフェの発売は嬉しかったですね。

翌年には「パルフェ2」翌々年には「パルフェ3」が発売されることになります。

 

個人的なおススメは「パルフェ2」の伊藤ハチ先生の作品。何とも業の深い姉妹の話です。「おねロリ」というジャンルを深く考察したい人は読むべき名作。無印の「パルフェ」での性癖ド炸裂産卵おねロリの時もそうでしたがこの人はアンソロになると暴れすぎ。

あとは無印「パルフェ」のいちごイチエ先生(飴沢先生)の作品もおすすめ。一見健全な甘々おねロリですがラストに軽い闇を匂わせる塩梅が素晴らしい癖になる作風です。

 

 

 

  • ショコラ 社会人百合アンソロジー
ショコラ 社会人百合アンソロジー (百合姫コミックス)
 

 2018年に発売された社会人百合アンソロ。翌年に「ショコラ2」が発売されます。

「2DK、Gペン、目覚まし時計。」でお馴染み大沢やよい先生によるルー子さんのスピンオフ漫画が載ってるのが嬉しい(さらにその後スピンオフに出てきたキャラが本編に!)。

女児のおススメはもちろん「ショコラ2」収録のシギサワカヤ先生の作品。過去の記事でも語りましたが十数ページとは思えない熱量のある重ーーーい作品になってますのでしんどくなりたい人は是非。正直この作品の為だけに買う価値があります。

 

 

 

そして時は2019……。

  • SHIBUYA ギャル百合アンソロジー
  • いちゃらぶしかない百合アンソロジーコミック
  • カロン アイドル百合アンソロジー
  • ユリキュール アルコール百合アンソロジー
  • レズ風俗アンソロジー
  • すれ違い巨大感情百合アンソロジー
  • カヌレ スール百合アンソロジー
  • NTR 寝取られ百合アンソロジー
  • 異世界転生百合アンソロジー
  • 教師×生徒の百合アンソロジーコミック

ぐ、ぐわーーーーー多すぎる! 全部紹介してたら日が暮れるのでかいつまんで紹介。

 

 

 

  • いちゃらぶしかない百合アンソロジーコミック

 タイトルだけでは分かりづらいかも知れませんが要は単なる百合えっちアンソロ。

なのですが執筆陣に注目していただきたい、黎明期から百合を支える森島明子先生、「月と泥」「裸足のキメラ」の大北真潤先生(大北紘子先生)、「Sweet Little Devil」の南崎いく先生、「乙女ケーキ」のタカハシマコ先生、「極上ドロップス」の三国ハヂメ先生と数年くらいタイムスリップしたようなコアな執筆陣によって描かれているのが魅力。いやほんとよく引っ張ってきましたよね……。

 

 

 

  • レズ風俗アンソロジー
レズ風俗アンソロジー (百合姫コミックス)

レズ風俗アンソロジー (百合姫コミックス)

 

これまたド直球なタイトルの百合アンソロ。オシャレ甘味系は途中で諦めたんですかね……?

百合えっち界隈ではおなじみ焔すばる先生やコダマナオコ先生が参加しているこのアンソロジーですが実は同年11月に続巻に当たる「レズ風俗アンソロジー リピーター」が発売されます。

こちらではあのなもり先生がイラストで参加、「籠の少女は恋をする」の川浪いずみ先生、「ぽちゃクライム!」のみんたろう先生も参加するなど豪華な内容になっています。

一年を待たずして続刊が発売されているあたりに最近の百合界隈で百合えっち需要が高まっているのを感じる作品でした。

 

 

 

  • すれ違い巨大感情百合アンソロジー
すれ違い巨大感情百合アンソロジー (百合姫コミックス)
 

これもタイトルなんやねんという感じですが色々拗れてる百合アンソロ。のちむゆ先生、まにお先生、いちごイチエ先生、つつい先生、タカハシマコ先生、柏木ツキコ先生という察せれる人には察せられる執筆陣によって繰り出された百合アンソロ。

こういう「刺さる人には刺さる」アンソロを出してくれるのは百合姫の為せる業ですかね。

 

 

 

さて、百合姫の百合アンソロは「特定のジャンルに特化している」というところが特徴でしょうか。実際おねロリが好きなら「パルフェ」を、社会人が好きなら「ショコラ」を、とわかりやすい人にはいいですね。

 

 

 

KADOKAWA

続いて百合ブームを最前線で引っ張ってきたKADOKAWA系列の百合アンソロを紹介。こちらもかなりの数が出ています。

 

 

 

  • エクレア

KADOKAWAを代表するアンソロジーといえばこれ。発売された2016年当時は既に百合ブームが始まっていた時期でその時勢の流れのままに発売されたアンソロですね。

後に「エクレアblanche」「エクレアbleue」「エクレアrouge」「エクレアorange」の順で発売されることとなります。

 

少し自分語りをすると女児が本格的に百合作品を見始めたのがちょうどこのくらいの時期だったのですがこの執筆陣↓

仲谷 鳰/のん/柊ゆたか/南方 純/天乃咲哉/天野しゅにんた/伊咲ウタ/伊藤ハチ/カボちゃ/川浪いずみ/缶乃/北尾タキ/タカダフミ子/唯野影吉/にしお栞/ハルミチヒロ/平尾アウリ/めきめき/結川カズノ

今見返してみると有名どころからコアなところまで幅広く抑えていてKADOKAWA編集部の”本気”を感じますね。

 

女児のおススメはやはり結川カズノ先生の「雑草譚」でしょうか。こちらの作品は「エクレア」内で唯一無印から「エクレアrouge」の4回にわたって連作として掲載されました。

この作品を紹介するにあたって今読み返したんですがはなにこれアッ切なめっちゃしんどいやんということで語彙が死んでるので気になる内容は君の目でたしかみてみろ!とにかくしんどいし切ないです。こんな小学校生活を送ってみたい(?)。

最終回となる「名も無き花へ」が掲載された「エクレアrouge」の表紙を本作のキャラが飾ってるのも本当にKADOKAWAさんありがとうしかないですね(欲を言えば「エクレアrouge」内でのトップバッターではなく最後に乗せて欲しかった(厄介オタク))

 

幅広く様々な作品が載っているかつ全体的にライトで読みやすいので百合初心者の方にも超々おすすめです。「雑草譚」を読んで君もしんどくなろう!

 

 

 

  • 百合ドリル
百合ドリル (MFC キューンシリーズ)

百合ドリル (MFC キューンシリーズ)

  • 発売日: 2018/03/26
  • メディア: Kindle
 

「明るい記憶喪失」の奥たまむし先生考案のドリル形式で送られる一風変わった百合アンソロジーです。後に「応用編」「難問編」「自由研究編」が発売。

ドリル形式ということもあり基本的に1作品1ページという短さで進むのでTwitter漫画を読むような気軽さで読めるためこちらも初心者におススメ。

またドリルという「描く人に考えてもらう」という部分も大きな特徴です。特に「自由研究編」での自由っぷりは必見。

 

 

 

  • White Lilies in Loveシリーズ

 「あの娘と目が合うたび私は」「あなたの側にいると私は」「BRIDE's 新婚百合アンソロジー」「花香るとき、貴方は。」「私が酔いしれるのは、夏の陽射しと貴方だけ。」「茜さす恋心を、紅く染めてほしいの貴方に。」

の6つからなる社会人百合のシリーズです。

※例外的に「BRIDE's」は新婚百合の扱いです(まあほとんど社会人百合ですが)。

また「あの娘と目が合うたび私は」「あなたの側にいると私は」は厳密にいうとWhite Lilies in Loveのシリーズではないのですが扱いが近いので纏めておきます(というか途中からこのシリーズが「BRIDE's」のレーベルに乗っかってた感じなのかな?まあタイトルからして明らかに同一シリーズなので……)。

 

このころからTwitterを中心に活動していた人気の百合作家さんたちがどんどん商業に入っていった記憶がありますね(さつま揚げ先生や鈴木先輩先生等)。

それにしてもKADOKAWAの社会人百合に対する異様に深いこのこだわりはなんなのか……。面白いジャンルではありますが短編になると一辺倒になりがちでもあるので難しいジャンルですよね。

 

 

 

  • シナモン Cinnamon 人外×人間百合アンソロジー
  • バニラ Vanilla 人外×人外百合アンソロジー
  • 奏 青春バンド百合アンソロジー
  • 主従百合アンソロジー Rhodanthe

 そして2019年にもなるとKADOKAWA百合姫コミックスと同じように特定のジャンルに特化したアンソロを生み出していくことになります。

疲れてきたので細かい説明は割愛しますが人外×人間と人外×人外をきっちり分けるところやシナモンの表紙に「吸血鬼×後輩ちゃん」や「OLさんと猫の話」と人間×人外で有名な嵩乃朔先生を起用し人外×人外に伊藤ハチ先生を起用するの、”理解って”ますよね。

 

 

その他出版社

  • 百合+カノジョ
百合+カノジョ (ふゅーじょんぷろだくと)

百合+カノジョ (ふゅーじょんぷろだくと)

 

 ふゅーじょんぷろだくと社のBeコミックスより無印含め5作発売されています。なんといっても自分が主人公という「一人称百合」なのが特徴ですね。

女児的に百合は観測するものなので一人称百合と言うものがよくわかってないので取り敢えず形だけの紹介になります、申し訳ない。

 

 

 

 ジーオーティー社による「girls × garden」という百合レーベルで第1弾として「Avalon」「Avalon~bitter~」、第2弾として「Avalon~bloom~」「Avalon Alter~karma~」、後続のシリーズとして「Qualia-Envy-」「Qualia-jealousy-」が発売されました。毎回ライトサイドとダークサイドに分けて2つずつ発売されています。

元々COMIC E×Eという成年誌内の1コーナーとして始まり、現在はこちらのCOMIC MeDu内に掲載されているようです。

内容はなんといっても濃厚。Avalon第2弾はめっちゃ分厚いですしQualiaでは1冊辺り5作品と、1作品1作品がしっかりとした質量を持っています。

 

他社のアンソロとは一線を画す豪華な執筆陣と安定したクオリティ、アンソロとはいえしっかり百合に浸かりたい方におススメ。

ちなみにカバーを外すと表紙の女の子たちのストーリーが読めます。こだわりが凄い。

 

 

 

  • ユリトラジャンプ

 集英社の「ウルトラジャンプ」より発売された百合アンソロ。現在はVol2まで電子限定で発売されています。遂にジャンプからも百合が出てくる時代か……。

直球なタイトルの百合アンソロですが中身は……なんというか曲者揃い。上記の百合アンソロ達とはまた違った個性の強い執筆陣が多いのが特徴。

個人的には秋月伊槻先生の作品が好きですね(百合えっちやっぱ好きなんで……)。

中々面白い作品が多いだけに電子でしか売られていないのが残念。

 

 

 

  • シロップ 

 双葉社より発売された百合アンソロ。社会人百合アンソロの「シロップ」、禁断×百合アンソロの「シロップ secret」、初夜百合アンソロ「シロップ NIGHT」が発売されており、今年の4/27には再び初夜百合メインの「シロップ HONEY」の発売が予定されております。

同じシリーズでありながら毎回テーマを変えているこのアンソロですが最大の特徴はなんと言っても安定の執筆陣。

GIRL FRIENDS」、「ハナとヒナは放課後」の森永みるく先生や「少女セクト」、「星川銀座四丁目」の玄鉄絢先生といった黎明期より百合を支える作家に加え新進気鋭のもちオーレ先生や郷本先生などてっぺんからつま先まで隙のない(完全に女児得な)構成になっております。

 

個人的には最もお勧めしたい百合アンソロの一つです。

 

 

 

総括

総括……というほどではないですが全体的に纏めると

  • 好きなジャンルのアンソロが出ているならそれを買う
  • フリージャンルで選ぶなら安定は「エクレア」「シロップ」
  • 気軽に読みたいなら「百合ドリル」
  • どっぷり浸かりたいなら「Avalon
  • 普通の百合に飽きてきたなら「ユリトラジャンプ」

てなとこですかね。百合アンソロジーは知らない百合作家さんを知るきっかけにもなるので今後も様々な出版社から発売されることを期待。

そして姉妹百合アンソロを出せ。これは全国1億3000万の百合ファンからの要望です。マジで頼む。てかなんで今まで出てきてないんですか?(怒り)

 

 

 

さて、そんなこんなでお送りしてきた百合アンソロ解説でしたがいかがでしたでしょうか。少しでも百合アンソロを選ぶ際の参考になりましたら幸いです。

(本当はキマシ!とかほうかご!とかもっと前の百合アンソロについても語りたかったのですが純粋にその時代は私の知識が至らぬこともあり……。)

最近は家から出づらい風潮になってきたので電子書籍を活用して明日からも百合活を進めるぞ!…………ん?

 

 

 

 

 

 

エクレアSpecial 雑草譚 結川カズノ百合作品傑作選

エクレアSpecial 雑草譚 結川カズノ百合作品傑作選

 

脆く、残酷で、美しい――私の特別な女の子。

脆く、残酷で、美しい――私の特別な女の子。

可愛くてキレイで人気者のひなちゃん。
私とひなちゃんとふたりだけの秘密の場所で見てしまった光景。
大好きなひなちゃんの知らない一面に少女は……。

「エクレア」の連作に加え、同人作品「軒下の吸血鬼」を収録。
さらに大ボリュームの描き下ろしを含む結川カズノ初のコミック傑作選。

 なんと!「エクレア」に収録されていた名作「雑草譚」の連作含め結川カズノ氏の百合作品傑作選が3/26に発売されるだって!?!?

 

はい。ここまで書いてきた7000文字はこの作品の宣伝のための壮大な前振りだったんですね。雑草譚、マジで名作中の名作ゆえ全人類買う以外の選択肢が与えられませんので買って下さいね?買え。みんなでしんどくなろう!

以上、近代百合アンソロジーの選び方の解説記事をお送りいたしました。長い記事でしたがここまで読んで戴きありがとうございます。またどこかでお会いいたしましょう。