じょじのにっき

女児のブログです。百合の話がメインです。Vtuberになりました。

『グヤバノ・ホリデー』『てるみな』楽園コミックスの不思議な世界

こんにちは!最近は2000年代前半のギャルゲー漁りに精を出している女児です。

あの頃のギャルゲーの絵柄がすごく好きなんですよね。今の時代の萌え絵も好きなんですが昔の萌え絵ってアンキモ的な良さがあるような気がします。アンキモ食べたことないけど。

 

あと昔のギャルゲー、というか特にエロゲーって何ともアングラな感じが強いっていうか、ちょっと暗い作品が多いですよね。ビジュアルノベル形式をとっているエロゲーなんかは全部暗いイメージです。

今ではそういうのはあんまり売られているイメージがないので、昔のエロゲーをプレイする利点はやっぱりそういうところですかね。

 

と、エロゲーの何を知っているわけでもない女児がエロゲーについて語っててもしょうがないので本題へ。今回は前回紹介した「君だけが光」と同じ楽園コミックスからちょっと変わった(ちょっとアングラな?)漫画を紹介します。

 

  • グヤバノ・ホリデー
グヤバノ・ホリデー

グヤバノ・ホリデー

 

「楽園」からの5冊目のpanpanya作品集。表題シリーズ全8本はじめ「いんちき日記術」「比較鳩学入門」「学習こたつ」「宿題のメカニズム」等、著者ならではの描写が輝く21篇。日記も併収。
2019年1月刊

 panpanya先生の短編集です。もうpanpanya先生の作品は読んでもらった方が早いのでこことかでまずは試し読みしてみてください。

 

まず、絵が特徴的ですよね。綿密に書き込まれた背景に対して単純な人。そしてキャラクターも平然と鳥が喋りだしたり犬が喋りだしたりとちょっと不思議な感じです。

雰囲気こそ独特ですが内容は結構読みやすく、なんだか日記を読んでいるような気分です。そこにちょっとの不思議さがスパイスとして加えられていて、佳い感じですね。

帯の『「あるはずだ」と信じたそれはありました。有り難い事です。』というあおりもオシャレ。

 

女児は作者の日常に対する目の付け所というか、感性こそがこの作品の魅力だと思っていて、普段過ごしていると見逃してしまうものだけど「アレ」って何なんだろう?という、そういう疑問に答えていたり、一緒に答えを探そうとしているのがpanpanya作品なのかな、と思います(ちょっと抽象的でごめんなさい)。

 

表題作の「グヤバノ・ホリデー」はこの作者にしては珍しく全5話の少し長めの実録漫画。「グヤバノ」という日本では馴染みの無いフルーツを求めてフィリピンまで旅立ちます。異国に旅行しているという状況のお陰か、実録漫画でありながらも非日常感がたっぷりと感じられ、おすすめです。

 

作中に登場する「グヤバノ」ですが「トゲバンレイシ」などとも呼ばれているようで、女児もジュースなどが手に入らないかと色々調べてみたのですが難しそうです。

 

ちなみにpanpanya先生の漫画は毎回装丁が凝っていて、カバー裏にアルミサッシの窓やらお風呂のタイルやらがデザインされているのですが「グヤバノ・ホリデー」では歩道の「アレ」がカバー裏にデザインされています。

手触りもざらざらしてて最高。

 

紹介文にある通り日記と、各作品の解説(といっても結構関係ない話だったりする)も載っています。読めば作者の感性により深く触れられるかも?

「グヤバノ・ホリデー」を読んで気に入った方は是非他のpanpanya作品も読んでみてください。一個ハマったら全部ハマります。

 他作品のリンクとちょっとした感想も一気にのっけときます(全部短編集です)。

蟹に誘われて

蟹に誘われて

 

 楽園コミックスでは1冊目の作品。同人作品「方彷の呆」の少し不気味な異世界感にぞくぞくする。

枕魚

枕魚

 

 突如海に現れた謎の魚を追う冒険譚(?)「ニューフィッシュ」がおもしろい。

動物たち

動物たち

 

 亀や狢など様々な動物が登場。貒も狢も同じ動物なんだって。

二匹目の金魚

二匹目の金魚

 

表題作「二匹目の金魚」での裏世界に迷い込んでしまった感がいい。

足摺り水族館

足摺り水族館

 

 こちらは「1月と7月」という出版社からの作品。かなり尖った作品が多いのでよりディープな世界に浸かりたい方は是非。高知に実在する足摺海底館の訪問記なども併載。装丁が凝っているので絶版ですが紙で手に入れて欲しい。

 

日常の延長線上に潜む非日常を感じたい方は是非。電子化が進む漫画業界ですがどれも紙で手に入れたい逸品です。

 

 

  • てるみな
てるみな 1 (楽園コミックス)

てるみな 1 (楽園コミックス)

 

空前の「鉄女」ブームの中、孤高の「鉄猫耳」路線を電車に乗ってゆるりお出かけ──「楽園」では希少な小学生女子が主人公の首都圏ぶらり電車の旅。根強いファン多数な作家です。

 既刊3巻。kashmir先生(「〇本の住人」「百合星人ナオコさん」「ななかさんの印税生活入門」など)の描く東京猫耳礼記

2巻収録分以降からは本誌での掲載が終了したため現在は「てるみなNeu」としてweb増刊号のみで掲載されています。本誌では入れ替わる形で「ぱらのま」が掲載。こっちは普通の鉄道旅行漫画。

 

なぜか猫耳の生えてきた少女が東京……というか东京をめぐっていくお話。内容はこれも読んでいただいた方が早いのですが世界観がとにかく奇妙、というかちょっと気持ち悪く、風邪をひいたときに見る夢のような光景が延々と続きます。京急が「げいきゅう」になってたりと現実の鉄道をパロった物がよく出てきます。

ねじ式がわかる方はそんな感じの世界だと思ってもらえるとわかりやすいです。

 

基本的に1話完結で毎回無事に帰れたかどうかわからない内容なのですが次の話では普通に出てくるので無事に帰れたか残機が1減ったかしてるのでしょう。

ギャグ回も結構あって「町田が神奈川から独立したぞ!」「町田は東京だよ?」「え?」の回とか東急の多摩川線と西部の多摩川線を結んだ多摩多摩線の話とかは落ちがギャグで面白いです。

 

上で紹介した「グヤバノ・ホリデー」よりかなり人を選ぶ作品ですがこの作品でしか味わえないなんだか懐かしさを覚える奇妙な世界に浸れるのでお勧め。平成初期くらいのアングラな映画とかゲームとかが好きだった人には刺さると思います。

 

 

 

はい、ここまで2作紹介しましたが実際のコマとかを使って紹介してるわけでもないので中々魅力を伝えづらくてもどかしいです。試し読みとか探せばあると思うのでとにかく読んでみて欲しいですね。好きな人はかなり好きなやつだと思うので。

 

余談ですがpanpanya先生やkashmir先生の作品作りに関してはここでいろいろ面白い話が載っているのでこの2作品が気になった方は是非。個人的にpanpanya先生の

建物は丁寧に描き込めば描き込むほど豊かになりますが、人間は毛穴まで描いたからといって豊かになるってものでもないというか。だから人間はいい加減に描くぐらいのほうがいいのかな、という気持ちが、昔からあります。

 という部分を聞いてほぉーとなりました。

 

 

 

ふぅ、今日もなんとか1記事書けました。ここ最近の記事は百合の話をしてないので次回辺りはまた百合の話をしたいですね。ということでさようなら。